銀の匙
- 作者: 中勘助
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/01/16
- メディア: 単行本
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ワイド版文庫、読みやすくっておすすめです。
ちょっとサイズが文庫より大きいのですが、昔の作品を読むには読みやすいと思います。
銀の匙、これも文芸部部長のお薦めです(前回参照)
あらすじを聞いてもあまりたいしたことのない話なのですが、
主人公の子供時代の話が綴られていきます。
子供の頃に体が弱く、自分専属の乳母のような優しい伯母におぶわれ、守られて育てられた思い出や、幼馴染みの女の子のこと、お気に入りのもの、近所の人のこと、学校に上がってからのこと・・
とにかく読んでいていやみがなく、微笑ましい、または率直な描写になっているのが気に入りました。
我らが文芸部部長も言っていたように、お菓子の描写や食べ物の描写が、箇所は少ししかないのにすっきり鮮明に記憶に残ります。
夏目漱石の「夢十夜」という作品がとても好きなのですが、なんだかその読後感のような、きれいなものに触れた後のような良い読後感に浸れる作品だと思います。
後編の少林寺の四季折々のくだりなんかは声に出して読んでゆっくりと味わいたい感じです。
うまくいえないのですが好きな作品です。
遠子先輩の味わい方を見て気になった方はぜひ読んでみてください。
中勘助なんて実は聞いたこともなかったのですが、こんな作家がいたとは。